phidgets 1048 使い方
富士珈機の1kg焙煎機にロギングソフトをつけました。フィジェッツ(phidgets)という焙煎機側の温度計センサーケーブルに繋いでパソコンに接続するためのUSBに変換する装置を介し、ロギングソフトはArtisan(アルチザンまたはアーチザン)を使いました。使い方の説明書がないため自力でネットなどで解決する必要があります。フジローヤルにはロースティングコンパスという純正ソフトがありますがArtisanを使いました。
※ローストデータロギングソフトの呼び方について:ローストロガー(Roast Logger)、ロースティングコンパス(Roasting Compass)とも特定のブランドの専用ソフトの名称になっているようです。日本語では「焙煎記録」という意味です。文中、ロギングソフト(Logging Soft)、データロギング(Data Logging)、ローストロガー(Roast Logger)、ロースティングコンパス(Roasting Compass)など混在する場合がありますが全て同義語です。
phidgets1048_2B。
センサー接続
温度センサーが取り付けられている端子にマイナスとプラス側のコードを装着。豆温K熱電対からのケーブルは赤がプラスで白がマイナスです。Phidgets側に接続するケーブルは赤がプラス、黒をマイナスに接続します。コードはボックス底面の孔に通します。
Phidgetsに取り付けるUSBケーブルは最近ではあまり見ないタイプの昔のです。確か10年以上位のマックと外付HDで使ってたもの。「mini USB Type-B」です。
取り付け完了。フィジェッツのG(アース)に黒(マイナス)、数字に赤(プラス)を繋ぎます。
ロースティングカーブ暫定完成
テスト焙煎1バッチ目。
ブラジル豆200gを2ハゼまで。
色は深め。44.8。
色は明るめ。67.3。
基本的にはCOFFEE ROASTING by Scott Rao書籍に紹介されていた焙煎方法にてテスト焙煎しました。
1.
CHARGE-DRY ENDまで豆量に適した最大火力
2.
FC START(1ハゼ=ファーストクラック)前で火力下げ
3.
RORクラッシュ、フリップが起きないように火力を徐々に下げていきDROP。
書籍に紹介されていたのと同じようなロースティングカーブを再現できたかと思います。書籍では「膨大なサンプルデータを検証していった時に結果として同じような焙煎曲線が多かった」というもの。写真はマックの最新版Monterey12.0.1ですが、古いバージョンも可でした。ウィンドウズもかなり古いバージョンでも動きました。
テイスティングも全く問題なし。今まで焙煎教室では日本式の手書きによる焙煎記録でしたが今後はこのアルチザン(Artisan)を使った焙煎になります。
排気温度(ET=Exhaust Temperature=エキゾーストテンパラチャー)増設
富士ローヤル焙煎機の1kg機は豆温度は測れますが、排気温は測ることができません。以前使っていたナナハンは排気温計が付いていたのでロギングソフトは繋ぎやすいでしょう。
近年のスコットラオが提唱するロースティングカーブではRoRなどが重要とされ、排気温度も記録しています。RoRとは温度上昇率のことです。
それと日本では温度計とガス圧計があれば焙煎記録表に沿って焙煎を行うというのが、日本の焙煎書籍や焙煎機メーカーの体験講座で、1分おきに豆温度を記入して差温を記していくという手法でしたが、最新焙煎の洋書で学ぶと、それは時代遅れで非効率的とされます。そこでフジローヤルの排気が測れるようにしてみました。
掘削オイルを塗って慎重に取り付けが垂直になるように雌ネジ切り。
ねじ切り完了です。2mm厚の鉄板でした。
取り付け完了。取り付けネジの干渉も考慮した位置です。
豆温度にプラスして排気温度(ET=Exhaust Temperature)のセンサーを増設しました!
Phidgets側4チャンネルありますが各パターンを読み込ませながらArtisanで調整。0と1チャンネルを使用します。
排気温度ET(エキゾーストテンパラチャー)、豆温度BT(ビーンテンパラチャー)ともリアルタイムにArtisan(アーチザン)上で表示されるようになりました。
ロースティングカーブ完成
完成。豆温、排気温、豆温ROR、ガス圧表示。センサーチャンネルはまだ余っているため表示可能ですが意味がないため表示項目を絞っています。ダンパーは基本的に操作しないですが、富士ローヤル1kg機は1モーター式でクーリングの際はダンパーは閉じます。そのためダンパー変更項目も追加します。
phidgets 1048 artisan接続イメージ図
センサーからプラスとマイナスの電極で感知した値をフィジェッツでUSB変換しパソコンに繋げてアルチザンソフトで表示。1チャンネルは既存の豆温センサー、0チャンネルは追加排気温センサーに繋ぎます。
*この図はわかりやすいように単純化したもので実際は焙煎機側の温度計ボックスを介します。
少量焙煎で正確な豆温度を測定できる改良工事も承ります↓。
ロギングソフトは再現性を目的に利用します。同じような焙煎度合いを過去記録に沿って比較再現やスタッフ間で共有するためのものです。焙煎に慣れていて、自身の経験や勘、匂いなどの要素で焼いている人には必要ないとも云えるかもしれまん。
メールや電話による接続方法の細かい質問にはお答えすることはできませんが直接ご相談いただければお見積もり可能です。
ギーセンプロファイラー
当店のギーセンW1AではGIESEN社純正のGiesen Profilerを使用しています。ギーセンの小型機、W1Aは火力以外にドラム回転や内部風量のパスカルを変えることができます。プロファイラーを使うとパソコンで制御することが可能です。