Loring Smart Roasterの歴史
1998年、マーク・ローリング・ルードウィッグはカリフォルニア北部で小さなコーヒーのパッケージングビジネスを運営していました。時間の経過とともに、彼はコーヒーロースターに不満を抱くようになりました。プロファイルが信頼性に欠け、プロセスも非効率でした。彼は食品処理機器の設置と修理の経験から、より良い方法があるはずだと感じました。
彼は信頼性を向上させるだけでなく、外部のアフターバーナーの必要性を実質的になくす設計に取り組みました。
5年後、彼は世界で初めて煙の出ないコーヒーロースターを発明しました。それが今日のローリングスマートローストが採用している同じマシンです。
Loring Smart Roasterの特徴
Loring Smart Roasterは、熱風式の焙煎機であり、以下のような特徴があります。
- プロファイリング能力: Loring Smart Roasterは、プロファイリング機能を備えており、焙煎の時間、温度、空気流など、焙煎プロセスの各パラメータを細かく制御できます。これにより、焙煎者はコーヒー豆の風味をカスタマイズし、一貫した品質を実現することができます。
- 熱効率: Loring Smart Roasterは、独自の熱回収システムを備えており、排気ガスからの熱エネルギーを再利用することができます。これにより、エネルギー効率が向上し、環境への負荷を軽減することができます。
- 煙や臭いの低減: Loring Smart Roasterは、排気ガスを高温で完全に燃焼させることで、煙や臭いの発生を低減します。そのため、焙煎作業場の環境を改善し、近隣への影響を軽減することができます。
- リモートモニタリングと制御: Loring Smart Roasterは、インターネット接続を通じてリモートでモニタリングおよび制御できます。焙煎データやパラメータのリアルタイムな監視、設定の変更などが可能です。これにより、複数の場所から複数の焙煎機を効率的に管理することができます。
- CO2排出の削減: Loring Smart Roasterは、焙煎プロセスで発生するCO2の排出量を削減します。より短い焙煎時間と熱回収システムの使用により、環境への負荷を減らすことができます。
これらの特徴により、Loring Smart Roasterは効率的で環境にやさしい焙煎を実現し、高品質なコーヒー豆の焙煎を可能にします。
LORING NIGHTHAWK S7
LORINGのカタログ最小モデル「NIGHTHAWK S7」。熱風式ロースターですが、本体にはドラムが組み込まれています。熱風式でありながらドラムロースターでもあるのです。ドラム内部にはフィンが刻まれており豆を撹拌します。少量1.4kgから7kgまでの豆を焙煎。火力を絞れば500gでも焙煎は可能。
プロトタイプLORING 1kgマシン
市販されてはいませんがローリングには1kg釜の小型マシンが存在します。アメリカ本土に4台のみ。主にロースターフェスティバルなどで展示されています。市販化が望まれますがおそらく製造コスト的には上位モデルと変わらないため市販化されないのだと思います。
LORING A15 MERLIN
かつてローリングにはドラム内部にフィンが刻まれていないA15-Merlinモデルも存在しました。撹拌がない分、より熱風による対流熱寄りの焙煎が可能かと思われます。少数ですが東京でも何店舗か導入事例があるようでいずれ取材してみたいです。
LORING S15 FALCON
15kg機S15 FALCONの背面。エバーピュアの浄水器が組み込まれています。焙煎時に剥がれたチャフの火災を防ぐための水噴射設備で水道設備も必要なマシンです。従来のドラム式ロースターにはなかった発想です。この写真は日本の代理店、DCSさんで撮りました。
LORING S70 PEREGRINE製作動画
2023年現在、ローリング社ではコロナ渦中に工場を閉鎖した間によるバックオーダーが全世界的に増え、1年以上待ちの状況。5年前ですが一つ一つ手作りしているローリング社による工場内での貴重な製作動画。70kg機、S70 PEREGRINE。
Part1:ドラム内フィンを手作りする様子が紹介されています。ステンレス素材を加工する様子が興味深い。
Part2:完成までの様子。チャフ火災防止の水道設備から電気系統のコントロールパネルの組み込みなど超貴重動画。